九州、小倉に行ってきました。
この時期、北九州市と言えば下関のフグ、でも残念ながら食べてきませんでした。
今回も小倉で開催された学会出席が目的でした。
学会名は日本顎顔面インプラント学会学術大会で、今回のメインテーマは「インプラントのための顎骨・歯槽骨の再建」で、数多くの演題とシンポジウムが用意されておりとても興味深くお話を聞く事が出来ました。

 

「顎骨、歯槽骨の再建」と聞くと顎骨は読んで字のごとく、顎(あご)の骨でありもちろん上顎と下顎があるのは理解できますが、歯槽骨って何?と言う事になります。
でもこれも考えて見ると、読んで字のごとく歯(は)を槽(うける)骨(ほね)で簡単に言うと歯の埋まっている骨であり、顎骨と歯をつなぐ骨である事が理解できます。
でもちょっと待てよ。「再建って?再(ふたたび)建(立てる)?そんな事できるの?」。
答えは「ハイ、出来ます」。

病気や怪我で顎の骨を失った場合、出来るだけもとあった様に顎骨を作り直し、失った口腔機能(咀嚼、嚥下、発音)を、それから顔貌の変形を無くし審美的にも回復を行う、これが顎骨の再建です。
方法としてはチタン製のプレートで顔貌の外形を修復し、骨の部分は腰の骨(腸骨)や足の骨(腓骨)を移植して再建を行います。
顎骨のようにたくさんの骨の再建が必要な場合は自分の骨を移植して再建を行いますが、歯槽骨の再建では少し様子が変わってきます。
インプラントを埋入するに足りるだけの骨を再建すれば良いわけですから、もちろん自家骨(自分の骨)を採取して行うこともできますが、最近では人工骨を利用して再建を行う事も始まっています。
人工骨であれば骨の採取による体に傷をつける事が無くなるからです。

この様に人工骨が使用されるようになってきた理由は、優秀な人工骨が開発されただけではなく、再生医療の考え方がしっかりとして来たからです。
再生医療を行うには再生される組織のもととなる細胞、再生される組織を成長させる成長因子、組織を再生させる足場が必要となります。
これらの考え方が確立された事により我々開業医においてもインプラントを埋入するほんの少しの範囲であれば、細胞は既存の骨に存在する細胞を使用し、それに成長因子と足場となる優秀な人工骨さえあれば歯槽骨の再建が可能となってきました。
私も数年前より成長因子として血小板を利用したPRPと人工骨のβ―TCPを使用してインプラントのための歯槽骨の再建を行い良好な結果を得ています。
今回の学会ではさらに臨床成績の良い成長因子と、足場となる材料の発表も有り、それらの使用を検討し、さらに確実なそして患者さんの負担にならない歯槽骨の再建を目指していきたいと考えております。

最後ですが、帰りの福岡空港で買い求めた稚加栄の”さんま明太子”はとても美味しかったです。
一度機会があればお試しください。

寺辺歯科医院